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上越支店スタッフブログVo.29 雪国新潟での家づくり~克雪住宅②~

2022.03.18

こんにちは!スタッフの田原です👩

今回のブログでは、前回に引き続き、

「克雪住宅」

について紹介していきたいと思います。

(前回のブログは、こちらから!)

「克雪(こくせつ)住宅」とは、新潟県のような多雪地域において

人力による屋根雪下ろしを行う必要がないように工夫された住宅のことで、

①耐雪式 ②落雪式 ③融雪式 の3つの方式があります。

この3つの方式の中で、

今回は、落雪式住宅について紹介していきたいと思います。

 


🏠落雪式 克雪住宅

「落雪式」の克雪住宅

― 屋根の勾配を急にしたり、滑りやすい屋根材を用いることによって、人力によらず自然に雪を落下させることができる家のこと

〈特徴〉

👍:良い点 😲:注意点

○ 落雪しやすい・滑りやすい屋根にする

1.形状

「片流れ」または「切妻」の屋根とし、複雑な形や突起物は避けた方が良いです

2.勾配

屋根勾配が3/10程度以上がおすすめです

3.材質

滑りやすい材料(*)や塗料を使用します

* ステンレス鋼板、ガルバニウム鋼板 など

○ 雪割板の採用

雪を落ちやすくする効果があります

○ 「すがもれ」に注意

「すがもれ」とは、軒先の雪が凍り、融雪水が屋根に溜まることで起こる屋根裏などへの漏水のこと

→業者の方との対策の検討が必要になってきます

👍工事費・維持費共に負担が少ない

※高床式にする場合は、工事費が追加となります

👍エネルギーを使わない(電気代・燃料代がかからない)

👍敷地に余裕があれば、リフォームも簡単にできる

屋根の勾配や材質の改良をすることで、住宅の屋根雪を積極的に落雪させることが出来ます

👍落とした雪を資源として再利用することができる

落ちて溜まった雪を活かして、冷熱エネルギーとして活用したり、食品の保存や夏の冷房として活用ができます

(雪室の設置などには別途工事が必要です。)

😲広い敷地(堆雪スペース)の確保が必要

! 堆雪場確保のため、望ましい建ぺい率は30%程度となります

! 必要な堆雪場の広さは屋根の面積や高さ、勾配、降雪量などによって異なります

※敷地外や流雪溝へ雪を運び出すルートの確保が必要です

😲落ちた雪の処理が必要

雪がたまりすぎてしまうと、建物を圧迫して壁や窓を壊したり、隣地にあふれてしまうことがあります

→融雪池の併設など堆雪を消す設備を施すことで、落ちた雪の処理が楽になります

😲堆雪により下の階が暗くなりやすい

→高床式との併用が有効

落ちた雪を除かなくても外からの光が入りやすいため、室内が明るく保たれます

「高床式落雪住宅」は、他にも・・・

・高床部分は丈夫なため、落雪によって家が傷みにくくなる

・高床の内部を雪室にするなど、有効活用できる

などのメリットがあります


ここまでお伝えしてきた通り、落雪式の克雪住宅では

落ちた雪を堆めておける広い敷地(スペース)の確保が必要な条件になってきます。

その条件をクリアできれば、エネルギー(電気・燃料)も使わなくてよく、雪下ろしの必要もないため、高齢の方にもオススメできる方式と言えます。

今のお住まいを比較的安価で落雪式にリフォームすることも可能ですので、

お住まいの「雪」で困っているという方は、選択肢の一つとして参考にしていただければと思います。

 

「③融雪式」については次回のブログで紹介する予定ですので、

そちらもチェックしていただけると嬉しいです😊